ダブルスコア年齢の大家さんにお説教 賃貸管理人・きづな社長
昨日のことです。42歳の私が倍のお年の大先輩である80代の大家さんに小言を言わせていた件、お話ししたいと思います。 何故なら、物件を貸す大家さんにも、物件を借りる借主さん・店子さんにも知っていただきたいお話しだからです。
賃貸管理人は人生のドラマの目撃者。
それは、管理はさせて頂いているアパートで、家賃の管理まではしていない弊社では少ない管理形態の大家さんと、日本一の賃貸管理人を目指すきづな社長のとある日のやり取りの記録です。 賃貸管理人には、毎日色々なことが人100000倍起こります。 「人生はドラマ」のドラマが自分だけではなく、入居者さん、大家さんの分も目撃するお仕事だからです。 そして、お客様とのコンタクトを基本「きづな社長」がフロントになり対応しているが故、もしかしたら日本で有数の人生の目撃者なのかもしれません。
2ヶ月滞納者が滞納解消した矢先の出来事
ただ目撃するだけではいけない、人の人生を良く変えていくのもまた仕事。
とあるご入居者Mさん。 Mさんは少しだらしないところがあるのは私は解っていましたが、とても人柄の良い、素直な方です。 いろいろな事情があり、最近、家賃を2ヶ月滞納してしまいました。 きづな社長は本物件の管理人ですが、家賃管理まではしていないため、滞納の連絡が無いと滞納が起きていることは解りません。 だから、「家賃管理までさせてもらって、本当の賃貸管理」と家主さんには伝えています。 お金に関する管理をすることで、入居者の性格が大体わかります。 入居前からの行動・言動・字の書き方・挨拶の感じを感じる心があり、お金の入れ方、払い方を見ればある程度の実力のある賃貸管理人は大抵のことが解ります。 2ヶ月の滞納が解って、私のところに連絡があり、お話ししたところ、「翌月の給料日に解消させる」という約束を守ってくれました。
大家さんは家賃を払うのを当たり前と思っている
確かに、借りているのだから、家賃は払わなければなりません。 契約ごとですから、契約を履行させなければなりません。 ただ、こんな厳しい世の中、遅れてしまう人がいるのもまだ現実で、どのように解消してもらうのか耳を傾け、何が起きているのかを話してもらい、解決策(滞納の解消だけでなく、時には起きた問題についての人生改善の解)を考えてあげることも、一流の賃貸管理人には必要です。
みんな精一杯生きている。
はっきり言って、今の世の中は「厳しい世の中」だと私は感じています。 ますますこれから、厳しい日本になると私は考えています。 その理由は別のブログでまた後述しますが、これから滞納してしまったり、結果家を失う人は多くなるでしょう。 そんな中、「大家さん」という比較的資本主義社会の中での勝ち組の人は、一生懸命働いてせっせと家賃を払ってくれる入居者さんが困ったり弱ったりしたときには、払わないことを弾劾する前に、「どうしたの?」と相手を考える思いやりが欲しいのです。
この話はこれで終わらない。
滞納が解消して数日、また大家さんから電話がありました。 「12月分の家賃をいつ払うのか」毎日のように押しかけ、詰めているとのことでした。 それだけでなく、「私も色々な支払いがあって、大変なんだからあなたは私の大変なことを理解しているのか!!!」と言ったと私に言います。 これに私はスイッチが入りました。
家主は強者、借主は弱者 だから借地借家法は家主に厳しい
これは資本主義社会、現代の日本の通常の考え方です。 この大家さんには大家さんの色々な事情はあるにせよ、アパートの借金は無いし、自宅は大きなお屋敷だし、借主さんは大家さんが「お金に困っている弱者」とは程遠い、むしろ「資産家」であるとみています。現実にそうです。 その強者の大家さんが、やっと滞納を解消し、普段の2倍の家賃を支払った直後に、前家賃分はいつ払うんだ、いつ払うんだと追い立てていると。 これは×です、止めてください、と強く言いました。 家主さんは私のことをすごくかわいがってくれる、優しい人です。 人生の先輩で、色々苦労されてきて、今も色々なご苦労があることも聞いており、尊敬している方です。 しかし、家賃の滞納に関しては、凄く怖いというか、優しくない面があるのだと気づき、窘めました。
入居者さんと会話するのは賃貸管理人の仕事
払えー払えー!と追い立てるような回収をした記憶は私にはありません。 もちろん、家賃滞納は良くないことです。 悪意のある家賃滞納者もたくさん見てきました。 今回の滞納は、ちょっとした理由があり、それが解消すればきちんと払ってくれる方なのです。 家賃の2倍のお金をひと月で用意して持ってきたのは、大変なことだったでしょう。 この借主さんが大変な思いをして持ってきてくれた、と思えるかどうかが、良い大家かどうかの境界線です。 大家さんにはおおらかな気持ちでふるまって欲しい、といつもお持っています。 この入居者さんは、悪質な滞納者ではないです、私の分類では。 しかもある程度長く住んでいただいており、もう少し優しく寄り添う必要がある必要を年が倍の人生の大先輩の大家さんに語りました。
入居者に優しい大家さん育成も賃貸管理人の大事な仕事
良く、賃貸管理人の仲間内の話では「大家教育」というワードが良く出てきます。 モンスター大家をどう矯正するか、モンスター大家とどのように付き合うか。 管理会社の従業員はいつも話しています。
三方良し(三方とは借主・貸主・管理会社)が賃貸経営の最終的な目標
今回の大家さんはモンスター大家さんではないし、弊社にはそのような「お金勘定ばかりしている」大家さんは今は居ないのですが、(2件このようなモンスター大家の管理はこちらから満室にしてお返ししました)借主さんが快適に住めて満足し、家賃が安定的に入り家主さんの賃貸経営が上手くいき、その結果、ありがとうのシャワーと管理料と言う報酬に加え、あそこの管理は凄い、と称賛されたり褒められたりして、初めて「三方良し」となるのです。 ほとんどの物件が三方良しに弊社はなっています。 そういう物件は世間では多いようです。 そうなっていない物件とは、大家さんが管理会社に食い物にされている場合、か、入居者が管理会社や家主の管理体制や設備のメンテなどの対応をずさんにして不満を持ちながら住んでいる場合のことを差します。 自分だけ儲けてはいけません。 儲けるのは企業や大家ですから、悪いことではないのですが、人にやさしく、人が満足するように儲けなければなりません。 それに加えて、自分が幸せで、人も幸せにできないといけません。
「賃貸管理こそ不動産業務の中で一番難しい」
幸福とは、誰もが願う願いなのです。 ただし、幸福だと言える人はこれからますます日本には減っていくものと私は思います。 滞納した借主さんへの滞納督促の話の中で、その人の人生をより良くすることができるかもしれないのも、賃貸管理人のやりがいの一つなのだと、私は使命感を持ってこの仕事をしています。 不動産会社では、一般的に、賃貸は売買より能力が劣る人が人員配置されています。 バイバイの方が手数料が多いため、稼げる方へ優秀な方が行く、と言った方が正しいかもしれませんが、世の中の為にはこれは間違っているのです。 「賃貸管理こそ不動産業務の中で一番難しい」故に、本来一番優秀な人が配置されるべきなのですが、お給料や大人の事情のせいで世の中がそうではないから、大家さんは管理会社に不満が多く、アンテナ感度の高い優秀な大家さんは、ちょっと他とは違う会社や、良い管理会社や、きづな住宅を懸命に探してくださり、愛してくださるのです。 うちの入居者さん、大家さん、社員、自分、家族、みーんな幸せであってほしい、そう願い続けて行動し続けて私は死ぬまでこの賃貸管理人と言う仕事に燃えていきます!
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